[原子力産業新聞] 2001年5月31日 第2089号 <3面>

[フィンランド] 議会、最終処分場建設計画を承認

岩盤調査施設建設へ

フィンランド議会は18日、同国政府が昨年末に下した使用済み燃料最終処分場建設計画に対する原則決定を圧倒的賛成多数で承認した。

放射性廃棄物管理機関である POSIVA が99年に申請した同計画では、オルキルオト原子力発電所近郊のユーラヨキの地下500メートルに4000トンの使用済み燃料を処分することになっている。議会による原則決定の批准は同国の原子力法に定められた手続きで、最終処分場の建設が社会全体の福利に則したものだとの判断が下されたことを意味している。

議会では、同計画の承認を勧告していた商務および環境の両委員会により政府の原則決定が本会議の審議に掛けられ、最終的に159名の議員が賛成票を投じる一方、反対票はわずか3名という結果になった。

今回の批准を受けて、POSIVA は今後、オルキルオトの岩盤調査の確証に勢力を集中。2003年から2004年を目処にオンカロという岩石特性調査施設 (RCF) の建設に着手し、2006年には最終処分設備が設置される深度の岩盤で調査を始める考えを明らかにした。83年に政府が承認したフィンランドの放射性廃棄物管理スケジュールについての長期計画によれば、最終処分場の操業開始目標年は2020年。この実現には2010年に施設建設に取りかかる必要があると考えられている。

フィンランドでは最終処分の研究およびプロジェクト実施に関する全責任を POSIVA が負っているが、同社はユーラヨキをサイトとする原則決定の申請に際してはサイト特性プログラムや包括的な環境影響評価を含めておよそ20年間にわたる研究開発の結果を基盤にしたと強調。申請書は一般に広く公開され、社会保健省の放射線・原子力安全センター (STUK) やユーラヨキ自治体を含む多くの関連団体のすべてが「計画支持」を表明したと POSIVA は述べている。


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