[原子力産業新聞] 2001年6月7日 第2090号 <3面>

[フランス] 最新の世論調査、7割が原子力に肯定的

最近フランスで実施された世論調査で、68%の仏国民が国内の原子力開発利用活動に対して肯定的な見解を抱いているほか、63%はフランスが今後も世界の原子力産業界のリーダー的存在であり続けることを希望していることが明らかになった。

この調査は仏原子力庁 (CEA) の委託で大手の市場調査機関である IPSOS 社が1015名を対象に4月に実施したもの。これにより回答者の過半数は原子力がフランスのエネルギー自給にとって重要と考えていることが判明しているが、個々の具体的な質問に対する結果は次のようになっている。

まず、76%の人が科学者達が伝える原子力問題に関する情報は信用できると回答。62%は原子力分野の研究継続は「欠くべからざるもの」との認識を抱いていた。フランスのエネルギー生産方法を選択する上で88%の回答者が温室効果ガスの危険性を考慮すべきだとしたほか、2人に1人の割合で原子力はそうしたガスの排出を避けるための一手段と考えていることがわかった。また、67%はフランスのエネルギー供給を自立させるために原子力は重要だと答えているほか、59%は石油やガスの価格高騰による影響を原子力によって和らげることができるとの見解を示した。

原子力開発利用に伴うリスクに関しては、34%が「ほとんど」あるいは「あまり感じていない」としたものの、原子力事故に特定した場合は56%が「大事故はいつでも起こり得る」と答えており、「比較的小さなリスクに過ぎない」とした人の割合は38%に留まった。

また、近隣で生活する場合、どのような種類の施設に対して不安を感じるか?との問いに対しては46%の回答者が「原子力発電所」と指摘。以下は37%が「化学工場」、9%が「焼却施設」、4%が「水質浄化設備」という順になっている。

今後50年間の原子力発電に関しては、33%が「フランスの主要なエネルギー源であり続ける」と答える一方、52%は「いくつかある電源の中の1つと回答。原子力の廃止を希望した人の割合は36%だった。また、放射性廃棄物問題については回答者の76%が「科学研究によって解決策が見つかる」と信じていることが判明している。


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