[原子力産業新聞] 2001年6月14日 第2091号 <3面>

[ロシア] 下院、使用済み燃料輸入法案を承認

国際再処理市場参入に王手

ロシア議会の下院は6日、再処理とそれに伴う貯蔵のために海外からの使用済み燃料の輸入を可能にする3つの法案を最終承認した。

これらの法案は4月に下院・第二読会で採択されたのに続いて同第三読会で審議されていたもの。今後、連邦会議 (上院) で承認されれば、V.プーチン大統領の署名を持って正式に成立することになるが、ロシア原子力学会が伝えたところによると同大統領はすでにこれらの法案に賛成の意志を表明しているという。

第三読会の票決では第二読会の時よりもさらに賛成票が増加。海外からの廃棄物輸入を禁じた自然環境保護法に例外措置を導入する修正法案は243対125票で可決されたほか、使用済み燃料の一時的な技術貯蔵を規定するとともにすべての使用済み燃料関連事業は民間の合法的な契約に限定する原子力法の改正法案には250の賛成票が投じられた。また、これらの事業による利益を旧ソ連時代の核兵器作業で汚染された地区の浄化・復旧に充てるという特別生態環境計画法は266対110で採択されている。

再処理事業を管轄する原子力省 (MINATOM) のA.ルミャンツェフ大臣は、国際的な再処理サービス市場への本格的な参入に期待をかけるとともに、最初の10年間に得られると見込まれる200億ドルの収益や良質の雇用創出など、同事業による社会的な恩恵を強調した。


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