[原子力産業新聞] 2001年6月14日 第2091号 <3面>

[米国] 米副大統領、原子力の重要性確認

「国家政策として推進」

米国のD.チェイニー副大統領は新しい国家エネルギー政策が発表された数日後の5月22目、ワシントンDCで開催されていた米原子力産業界の年次大会で基調講演し、今後のエネルギー供給の中で原子力が果たす役割の重要さを改めて強調した。

チェイニー副大統領はまず、米国では5軒の家庭のうち一軒の割合で原子力発電所からの電力を使っていると指摘した上で、国家政策として原子力産業の進展を促進して行きたいとの考えを表明した。また、「現在の技術と今後の展開を考えると、石炭火力かガス火力、そして原子力しか考えられない」と言明。新しいエネルギー政策は省エネ対策や再生可能エネルギーの可能性を適切に考慮していないとの批判に対しては、「報告書の中の全105項目に及ぶ勧告のうち、これら2項目に係わる勧告の数は電力供給の拡大に関する勧告を上回っている」と反論した。

一方、原子炉の運転認可更新と廃棄物処分の問題に関して副大統領は、「これらに適切に対処できなかった場合、原子力産業から期待できる恩恵は事実上減少するという点を覚えておくことが重要だ」と発言。原子力技術と廃棄物の減容・処分の分野で開発が継続的に進展していくよう支援していきたいと述べた。


Copyright (C) 2001 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.