[原子力産業新聞] 2001年6月14日 第2091号 <3面>

[中国] 旧核兵器開発基地を新興都市に

[西寧5月29日発新華社=中国通信] 中国の核兵器開発基地で、以前「原子城」と称された青海省海北州の首府、西海鎮が近代的なガーデン都市に作り変えられつつある。

「原子城」は同省海晏県内にあり、中国初の原子爆弾が誕生したほか、初の水素爆弾も開発された。しかし、中国政府の核兵器全面禁止、完全廃棄の主張を具体化するため、97年に国務院と中央軍事委員会は「221」核工場の廃棄を決定。同工場には厳格な環境対策を実施した。国の検査でその環境は国の環境保護法規の関係規定に合致していることが確認され、現在、基地の跡地は地元政府に移管・活用されている。

これまでにチベット族、モンゴル族の人々数千人が「西海鎮」と新たに命名された町に移り住んでおり、海北チベット族自治州も首府をここに移転した。以前の軍や研究機関の建物、住宅、学校、映画館、デパート、病院、給水、電力、暖房設備など公共施設も利用され、各地に通じるコンクリート舗装道路が整備されている。 海北州建設局の張宗勝副局長によると、93年以降、「原子城」の建設に2億元あまりの資金が投入され、今年また青海省小都市建設試行地区に指定された。現在は専門家に西海鎮の総合プランと設計を依頼し、新旧市街地を分けるとともに、旧市街地では 221 工場などを以前のままに残して記念とする方針。一方、新市街地は民俗色あふれる建築を中心に民族文化を十分示すことにしている。


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