[原子力産業新聞] 2001年6月21日 第2092号 <2面>

[原研] ラジウムを吸着する合成鉱物が判明

日本原子力研究所はこのほど、雲母に類似した結晶構造を持つ合成粘土鉱物のひとつであるナトリウム (Na)-4 マイカがラジウムを選択的に吸着することを判明したと発表した。米国ペンシルベニア州立大学のコマネニ教授と協力して、ウラン鉱山などからの廃棄物の環境汚染対策として有用なラジウム除去方法を研究してきたもの。

ウランの壊変で生じるラジウム (Ra-226) は環境中で移動しやすい放射性核種で、ウラン製錬工場やウラン鉱山からの残土等の廃棄物から、ウランそのものよりはラジウムが地下水などに溶けやすく、環境汚染につながる可能性もあるため、ラジウムを効率よく地下水や地表水から取り除く方法が必要だった。

これまで、モンモリ□ナイト等の天然粘土鉱物がラジウムを吸着することが知られていたが、今回の研究で、Na-4 はこうした粘土鉱物に比べて数十倍のラジウム吸着能力があることが分かった。


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