[原子力産業新聞] 2001年6月28日 第2093号 <2面>

[定期安全レビュー] いずれも結果良好

東電福島など6発電所

経済産業省の原子力安全・保安院は14日、東京電力、関西電力および四国電力から提出された定期安全レビューを評価、「妥当なもの」として、同日開催の原子力安全委員会に報告した。

定期安全レビューは、発電用軽水炉の運転開始以降現在までの運転経験の反映状況および最新の技術的知見の反映状況を調査・分析するとともに、確率論的安全評価を行い、保安活動が適切に行われてきたかどうかを定期的に評価して、必要に応じて安全性向上のための対策を摘出する制度。1994年以来、ほぼ毎年1回のペースで公表が行われており、今回の発表分を含めると、現在運転中の51プラントのうち27プラント (うち2プラントについては2回目) について実施されている。

今回対象となったのは、東京電力の福島第一・2号機、福島第二・2号機、関西電力の美浜2号機、高浜3、4号機、四国電力の伊方2号機の計5発電所6プラント。いずれのプラントの場合も、当該プラントの運転経験が設備、運転管理に活かされてきたことに加え、最新の技術的知見も適切に反映されていることが確認された。加えて確率論的安全評価により、当該プラントの安全上の特徴が総合的に把握されており、これらのことから同院では、全レビュー結果について「妥当なもの」と認めた。

また、今回のレビューでは (1) 高経年化対策 (2) プラント停止時における確率論的安全評価−についても、評価が実施された。 (1) については、福島第一・2号機および美浜2号機について実施され、両ユニットで実施されている高経年化対策については、高経年化の技術評価により現状の保全活動の有効性および新たな保全策の必要性が評価されていることから「妥当なもの」として認められた。

一方 (2) は、従来はプラント運転時のみ評価されていた確率論的安全評価を、停止時においても実施し「当該プラントの安全性が十分確保されていると評価された」としている。


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