[原子力産業新聞] 2001年6月28日 第2093号 <面>

[CRC総研] 地震波解析ソフトを販売

原子力の耐震設計にも適用

CRC 総合研究所はこのほど、震源から地表にいたる地震波の伝播を数10kmの大規模な地質構造モデルを用いて解析する地震波伝播解析ソフトウェア「GeoWAVE-TM (ジオウェイブ)」を開発し、販売を開始した。

同ソフトウェアは、東京大学との共同研究により開発したボクセル型有限法コードを解析ソルバに採用し、単一 CPU のパソコン上で1億自由度の大規模解析を実現させたもの。何十kmにもおよぶ地質をモデル化し、プレート層や活断層での断層破壊から伝播特性を評価するとともに、地層の不整形性を考慮に入れることが可能なため、地震工学で重要な震源特性、伝播特性、サイト特性のすべてを評価することができる。これまで解明が進んでいなかった地中の地震波伝播特性解析のほか、建設地域に対応した地震動解析を行うことができるため、原子力施設や高層建築物の耐震設計への応用が見込まれる。

また、地質モデリングから解析実行、地震波伝播アニメーション作成までを、Windows 上の GUI を用いて統一的に行える機能を備えており、防災マップ作成時に解析結果を反映させることにより、被害予測システムなどにも応用できるという。

同研究所では、地震、耐震、原子力分野の政府機関およびゼネコンなどの民間企業を中心に「GeoWAVE-TM」の販売およびコンサルタント業務を展開していく方針。また、地震防災分野などへの同ソフトウェアを利用した応用システム開発などカスタマイズサービスを提供していく。


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