[原子力産業新聞] 2001年7月12日 第2095号 <3面>

[米国] エクセロン社、ピーチボトム原発の認可更新を申請

さらに2原発でも申請を予定

米国の3つの州で17基の原子炉を操業する同国最大の原子力発電会社であるエクセロン社は4日、ペンシルベニア州で操業するピーチボトム原子力発電所2、3号機 (各50万9000kW、PWR 2基) の運転認可の20年更新を米国原子力規制委員会 (NRC) に申請した。

NRC の審査は約2年ほどかかると見込まれているが、無事に承認されれば2号機は現時点の認可期限である2013年から2033年まで、同3号機は2034年まで運転を継続することが許される。エクセロン社ではさらに、2003年3月頃を目処にドレスデン (各83万kW、BWR 2基)、クァッドシティーズ (各83万3000kW、BWR 2基) の両発電所でも認可の更新申請を予定しているという。

ピーチボトム発電所はエクセロン社のほか、パブリック・サービス電力&ガス会社などの共同所有になっているが、実験用の高温ガス炉だった同1号機 (4万2000kW) は74年に既に閉鎖。残った2、3号機の操業は概して好調で、昨年これらの2基は過去最高の1900万 MWH を発電するとともに、平均設備利用率も94.2%に達した。また、同発電所の認可更新チームによる独自の調査では、両炉に装備されている100以上のシステムおよび4万近い機器はどれも信頼性、安全性ともに万全であることが分かっている。

同社のO.キングズレー社長は今回の認可更新申請について、「温室効果ガスを出さず、経済性と信頼性の高い電力供給を確保するための投資だ」と説明。新たな認可取得に要する総経費は NRC によるキロワットあたり8ドルの審査費も含めて1800万ドルほどだが、エクセロン社では「キロワットあたり500〜1000ドルもかけて天然ガス火力や石炭火力でリプレースするよりは数段コスト安」と強調している。

米国の原発としてはすでに3サイト6基が20年の認可更新を許されているほか、今年に入ってからは今回の申請以外で4サイト8基について認可の更新が申請済みだ。


Copyright (C) 2001 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.