[原子力産業新聞] 2001年7月12日 第2095号 <3面>

[中国] 建設中原発、5年以内に完成へ

8基、683万kW を追加

【北京6月19日発新華社=中国通信】中国核工業集団公司 (CNNC) の李定凡総経理 (社長) は6月18日、現在中国が進めている4件の原子力発電所建設プロジェクトの8基、683万kW は2005年までに完成し、順次商業運転に入るとの見通しを明らかにした。

これは北京で開催されていた第4回中国・欧州連合 (EU) エネルギー協力会議で述べられたもの。それによると、中国が独自に設計・建設している秦山原子力発電所二期工事の PWR 2基 (各64万2000kW) はすでに全面調整試験に入っており、来年6月には営業運転の開始が見込まれている。また、秦山三期工事の2基 (各72万8000kW、CANDU) は再来年に営業運転入りする予定のほか、広東省の嶺澳原子力発電所の PWR 2基 (各98万5000kW、フラマトム社製 PWR) は来年および再来年に、江蘇省の田湾原子力発電所の PWR 2基 (各106万kW、VVER) は2004年と翌05年にそれぞれ営業運転を始める計画だ。

これらの4プロジェクトはいずれも第9次5か年計画期 (1996年〜2000年) に着工。李社長は「秦山二期工事は秦山1号機 (30万kW、PWR) と広東大亜湾発電所 (各98万4000kW、フラマトム社製 PWR 2基) を基礎に中国が独自に設計・建設しており、原子力発電所の国産化に貴重な経験をもたらすものだ」と指摘した。また、これらの原発の建設と運転を通じ、原子力の安全、研究、設計、および運転、保守などの貴重な経験を積み、各専門の研究陣を育成したことを強調した。

現在、中国の原子力発電は全国の総発電設備容量の0.7%に過ぎないが、環境保護とエネルギー構造の最適化の観点から、中国では原子力は経済が発達していながら通常エネルギーが不足がちな東南沿海地区での電力需要を満たす解決策と認識していることを明らかにした。CNNC はすでに3つの原子力研究設計院を擁しており、現在、出力100万kW 級の原子炉建設に取り組んでいる。


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