[原子力産業新聞] 2001年7月26日 第2097号 <1面>

[青森県] 原子力政策賢人会議、ITER誘致を議論

廃棄物で理解求める

青森県の原子力政策賢人会議 (座長・大道寺小三郎青森経済同友会代表幹事) が18日に青森市内で開かれ、県が積極的にむつ小川原地域への誘致を働きかけている国際熱核融合実験炉 (ITER) 計画に関して意見が交わされた。

この日の会合では青森県から、ITER の誘致に向け県が条件として提示している ITER からの低レベル放射性廃棄物の地元処分や土地の無償提供のほか、燃料となるトリチウムの安全性などについて説明が行われた。

これに対し賢人会議の委員の間からは、低レベル廃棄物の地元受け入れに関連して、議論を行う時間が少なく必ずしも県民の総合的な理解が得られていないことを懸念する意見などが出された。

国内の ITER 建設候補地をめぐっては、現在国が候補地選定に向けたサイト適地調査を進めていて、今月27日までに誘致を希望する都道府県知事からの公募として「提案書」を受け付けることになっている。調査項目には社会的条件として地元の積極的な理解が得られているかどうかも含まれていることから、青森県としても県民の理解獲得に最大限の努力を払ったうえで、正式な提案書の提出につなげたい考えだ。


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