[原子力産業新聞] 2001年7月26日 第2097号 <3面>

[ドイツ] プル盗難報道で真相報告を指示

16日付けで伝えられたところによると、ドイツ連邦政府のJ.トリッティン環境相は一部のメディアで「カールスルーエの再処理工場跡からプルトニウムが盗まれた」と報道されたことに対し、早急に文管で報告するよう地元の規制当局に指示した。

ドイツの全国紙である「Algemeen Dagblad」によると、廃止措置中のカールスルーエ使用済み燃料再処理工場 (WAK) で盗まれたと見られるプルトニウムからの放射線により、窃盗犯人を含む3人が被曝し、手当てを受けているという。声明の中でトリッティン環境相は、「国内原子力施設から核物質が盗まれたとする報道が本当なら、原子力施設のセキュリティ・システムに明らかな欠陥があったことになる」と指摘。地元自治体として責任を負っているバーデン・ビュルテンべルク州政府に対し、事件の概要を明確に説明するよう強く求めている。

当該施設の係官は核物質の紛失には気づかなかったと述べたと伝えられている。また、州政府の環境問題担当官は、施設にあるプルトニウムのレベルは兵器級ではなく、兵器への転用にも適さないと説明している。


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