[原子力産業新聞] 2001年8月2日 第2098号 <4面>

[キャノン] 医療用X線撮影装置を発売

カセッテタイプ登場

キャノンは、カセッテタイプの医療用X線デジタル撮影装置「CXDI-31」を9月に発売する。

新装置は、X線平面センサーを搭載していながら、重さ2.8キログラム、厚さ約20ミリメートルの軽最・薄型を実現。従来のアナログフィルムカセッテとほぼ同じ取り扱いができるため、被検者を撮影センサー位置に移動させなくても、あらゆる角度からの撮影が可能なほか、可搬性に優れていることから、患者が臥位テーブルに横たわった状態での撮影は勿論、ストレッチャーでの撮影も行うことができる。

X線デジタルカメラ「CXDI-31」は、X線平面センサーに蛍光体層とアモルファスシリコン平面センサーを採用、蛍光体でX線を光に変換し、平面センサーで読み取る仕組みになっている。今回、センサーの画素ピッチを100マイクロメートルという約650万画素の高精細にしており、骨部の撮影にも適している。

さらに、同社の「CXDI-11」 (立位撮影用) および「CXDI-22」 (臥位撮影用) とのシステム化を図ることで、これまで単独では撮影できなかった撮影部位をカバーすることができ、一般X線撮影のほぼ全域での撮影が可能になるという。これらの装置は、撮影画像を約3秒で操作パネルに表示するなど撮影時間の短縮化と診断の効率化が可能。同社では、今回の「CXDI-31」がラインナップに加わったことから、一般X線撮影の完全デジタル化を実現するシステムを構築できるとしている。


Copyright (C) 2001 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.