[原子力産業新聞] 2001年8月23日 第2100号 <面>

[関西電力] 返還輸送へ対米手続き開始

BNFL への早期返送めざす

関西電力は今月9日に米国政府 (米エネルギー省) に対して、同社の高浜原子力発電所用ウラン・プルトニウム混合酸化物 (MOX) 燃料返還輸送に係る核物質移転申請書を提出した。1999年7月から10月に英国核燃料会社 (BNFL) から輸送された燃料で、品質管理データに不正があったことから、昨年7月に関西電力と BNFL の間で返還合意を日英政府が確認していたもので、その手続きの一環。この MOX 燃料は、米国からわが国に移転されたウランを含む使用済み燃料から回収したプルトニウムを含むことから、日米原子力協定の適用を受け、同協定上で該当する燃料を日本から英国に返還輸送する際に、米国の事前同意が必要となる。

今回提出された申請書は、米国で事前同意を得るために必要なもので、日本とユーラトムが署名したうえで米国に提出された。これにより高浜発電所 MOX 燃料返還輸送に係る対米手続きが開始されたことになり、今後米国政府部内で検討が進められる。

具体的な返還時期については、今後関西電力と BNFL の間で調整されることになるが、関西電力では21日とりまとめたプルサーマル推進にむけた対策の中間報告のなかで、早期返送に努めるとしており、返送が具体化したあとに、速やかに高浜3、4号機の次期計画を策定する、としている。


Copyright (C) 2001 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.