[原子力産業新聞] 2001年8月30日 第2101号 <1面>

[三重県海山町] 原発誘致で住民投票へ

特別委、実施を可決

三重県の海山町議会特別委員会は22日、同町への新規原子力発電所建設誘致をめぐり住民投票を実施することを12対3の賛成多数で決めた。9月開催の議会本会議で了承されると、町執行部に対して住民投票条例案提出と実施が委託される見通しだ。

同県内での原子力発電所計画に関しては、中部電力が南島町と紀勢町地内に計画していた芦浜発電所建設計画が地元での反対・推進派双方の対立から膠着状態となり、1997年8月から2年以上にわたり議論を凍結した。その後も状況は変わらず、昨年2月に三重県知事が計画の推進は困難と判断。これを受け、中部電力が建設計画を白紙に戻していた。

こうした状況のもと、以前より原子力発電所の誘致が議論されていた海山町では、議会が今年3月に特別委員会を設け、新規発電所誘致に関する具体的な審議を重ねてきた。

事業者の具体的な計画に乗せられる前に原子力発電所建設をめぐって住民投票により賛否が問われることになれば、初めてのケースとなる。


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