[原子力産業新聞] 2001年8月30日 第2101号 <2面>

[原安協] 耐震、FBRめぐり総合発表会を開催

第34回「原子力安全研究総合発表会」が28、29日の両日、東京千代田区の全共連ビルで開催された。

今回、初日には、耐震設計の高度化などに寄与が期待される確率論的安全評価手法(PSA)導入をめぐる議論として「原子力安全確保活動における地震 PSA の役割」がテーマにとりあげられた。

また2日目には、「高速増殖炉の実用化に向けた研究開発と安全性の考え方」をテーマに講演と総合討論が行われた。

そのうち、地震 PSA について初日に講演した近藤駿介東大大学院工学系研究科教授は、「原子力安全確保活動の課題と PSA の役割」について、全体としてリスクの性格に応じた均衡のとれた安全規制のあり方など、総合エネルギー調査会原外力安全・保守部会の「原子力の安全確保の基盤について」の報告に盛り込まれた重要点を紹介するとともに、PSA の考え方を紹介し、耐震設計高度化など耐震安全性の評価にあたっての PSA の貢献に期待を述べた。一方、地震のリスクを含めた人々のリスクリテラシーを向上することの重要性を指摘した。

続いて講演した高田毅土東大大学院工学系研究科助教授は、「現行原子力耐震設計の概要と国内外の耐震設計の動向」を紹介。日本の耐震設計法をはじめ、米国の動向などを幅広く概括しながら、不確定性への対処に際し確率論的な手法が貢献しうることを述べ、今後の課題として定量的な安全目標水準に基づく設計手法の高度化などをあげた。また国民が納得しうる根拠づけを明らかにすることが重要とした。


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