[原子力産業新聞] 2001年9月6日 第2102号 <1面>

[関西電力] 美浜2号機、10年間運転延長へ

保全計画実施で安全確保

関西電力は8月30日、同社の美浜発電所2号機 (PWR、50万kW) について、今後10年間程度継続する方針を決め、福井県および美浜町に報告した。

わが国では原子力発電所の運転年数に関しては、法律に基づく国の定期検査に合格した上で運転を継続する仕組みになっている。また、電気事業者は各プラントが30年を迎える段階で安全に関わる全ての機器等を対象に、長期間の運転を想定した技術評価を行い、10年程度の長期保全計画を策定。これらの計画を国が評価確認するとともに、約10年毎に実施予定の「定期安全レビュー」時に改めて全体的な再評価を行うこととされている。

来年7月で運開後30年を迎える美浜2号機の場合、関電は蒸気発生器 (SG) 伝熱管損傷事故を契機に SG 交換を行うとともに、予防保全対策として、その他設備の改善や更新を積極的に実施した。さらに60年間の運転年数を仮定し、運転の安全に関わる全機器等を対象とした経年変化健全性評価を「定期安全レビュー」として国や関連自治体へ報告した際、従来からの定検等における設備の保守・点検に加え、高経年化に対応した長期保全計画を実施していくことで、今後の運転継続においても設備の健全性や安全性の確保は十分図れるとの、国からの評価も得ている。

これらを踏まえて関電では、(1) 約1年毎の定検等の仕組みおよび、今後の長期保全計画に基づいた取り組みの中で十分な安全性を確保しながら、美浜2号機を引き続き、今後10年間程度運転を継続する (2) その後の運転については、次回実施の定期安全レビューの中で改めて全体的な再評価を行った上で、エネルギーセキュリティや地球温暖化などといった社会情勢や地元経済への影響等も勘案し、関係機関と十分協議を行った上で判断する−ことを決定した。


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