[原子力産業新聞] 2001年9月6日 第2102号 <2面>

[三菱重工業] AP1000 計画に参加へ

米WH社と基本合意、年内にも正式調印

三菱重工業は5日、米ウェスティングハウス (WH) 社が米国市場向けに開発を計画している新型原子力軽水炉プラント「AP1000」の開発プログラムに参加することで WH 社と基本合意したと発表した。今後両社は年内の正式調印に向け、契約条件等を詰めていく。

「AP1000」は、従来型の軽水炉プラント (PWR) に静的安全設備を大幅に採用し、安全性と経済性を向上させた出力100万kW の新型原子力プラント。開発のベースになったのは、出力60万kW 級の「AP600」と呼ばれるプラントで、米国原子力規制委員会 (NRC) の最終設計承認を1999年12月に取得している。

WH 社は、復活しつつある米国原子力市場においては、より一層の経済性が要求されるとして、スケールメリットを狙った100万kW 級の「AP1000」の開発を計画、三菱重工にも参画を要請してきたもの。これを受け三菱重工では、米国市場進出の足掛かりとして同開発プログラムへ参加することにした。同プロジェクトには、三菱重工のほか、仏 EdF 社、英 BNFL 社などが参加企業として名を連ねており、世界規模の企業協力による開発となる。今後2004年末までに、NRC の設計承認の取得を目指し開発を進めていく。

三菱重工が参画するのは、炉心開発設計、系統開発設計、機器開発設計の3テーマ。WH 社としては設計承認取得後1年程度で初号機の受注に漕ぎ着けたい考えだが、三菱重工では実際に契約が成立した場合、主要機器の製造を中心に参入を図りたいとしている。


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