[原子力産業新聞] 2001年9月6日 第2102号 <3面>

[米国] PWR圧力容器の健全性で調査

米国原子力規制委員会 (NRC) は8月3日、PWR の圧力容器上蓋を貫通するノズルの健全性について、国内で69基の PWR を所有する事業者に関連情報を求める文書を送付するとともに、8月15日にはこの件に関する公開会合を PWR 事業者のほかに米原子力エネルギー協会 (NEI) の代表を招いて開催した。

PWR 用制御棒駆動機構 (CDRM) のシャフトは圧力容器上蓋にあるアロイ600製の貫通ノズルを通って圧力容器内に入る。97年にはこれらのノズルに軸方向の亀裂が入ったという例が報告されていたが、緊急な安全上の問題はないとの判断により定検時の保修で対処してきた。しかし、今年初めになって、2基の PWR で円周方向の亀裂が発見された。NRC では「これらのノズルは原子炉冷却系の圧力バウンダリ維持機能を果しているため、これらに亀裂が入ったということは一次冷却系バウンダリの劣化と潜在的に安全上の問題があることを意味している」と指摘。大がかりな検査の必要性について検討を開始することになったとしている。

PWR 所有会社に宛てた文書の中で NRC は、現在の検査活動が適切か否か、また、規制上追加の対応が必要か否かの判断について情報をよせるよう要請。PWR 所有会社は30日以内に文書で回答を出すことになっている。


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