[原子力産業新聞] 2001年9月6日 第2102号 <3面>

[インドネシア] 原子力工科大を創設

幅広く人材養成へ

インドネシアのジョクジャカルタ市で8月24日、大統領令に基づいて原子力工科大学が創設された。

Polytechnic Institute of Nuclear technology と名付けられた同大は、原子力庁 (BATAN) の上級職員養成機関である PATN を改組し、法律に基づく正規の4年制大学としたもので、引き続き BATAN の管轄・運営のもとで同庁のジョクジャカルタ・センター内におかれる。学科は電子計装、機械工学、および工科化学の3科だが、将来的には博士課程の設置や国際化も視野に入れており、放射線防護と非破壊検査のライセンス取得の特別プログラムも用意されている。原子力科学技術の広い分野で人材養成することを目的としているため、BATAN 職員だけを対象とするのではなく、社会人の教育・訓練も実施するとしている。教官は BATAN 職員が中心だが、このほか近隣の大学からも講師を招く予定。ジョクジャカルタ・センター内の TRIGA II 研究炉などを利用して実地教育を行う計画だ。

開校式典では、ハッタ・ラジャサ研究技術担当大臣が挨拶して原子力に対する関心と理解を表明したほか、海外からは原産会議の石塚事務局長が参加した。なお、同国では反原子力派だった環境相が原子力支持派と交代したほか、エネルギー鉱物資源相が留任しており、原子力を含めた今後のエネルギー・環境問題への取り組み方が注目されている。


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