[原子力産業新聞] 2001年9月20日 第2104号 <1面>

[原子力発電] 昨年度2.4億トンの CO2 を抑制

環境行動計画で実績

電気事業連合会の南直哉会長 (東京電力社長) は14日の会見で、2000年度の原子力、水力、LNG 火力などによる CO2 抑制効果に言及し、総抑制量は2000年度実績で約4.4億トンとの試算を示した。それとともに、そのうち原子力が約2.4億トンを抑制しているとして、「改めて地球環境面からも、原子力発電推進の必要性を感じた」と述べ、今後も原子力立地を全力で進めることなどにより、電力として掲げた CO2 排出原単位の低減目標を達成したい考えを強調した。

南会長は会見の中で、地球温暖化対策および循環型社会の構築などについて、電力事業としての環境問題への取り組み方針をまとめた第4回目の「電気事業における環境行動計画」のレビューについて言及。同会長はまず、2000年度において電力使用量が8380億kW 時と、前年度に比較して210億kW 時 (2.6%) 増加し、発電電力量に占める火力の比率が0.4ポイント増えたにもかかわらず、原子力設備利用率を1.6ポイント向上したことなどから、CO2 排出原単位は前年並みの0.371kg に抑制できたとともに、基準年となる1990年度に対しては、0.05kg (約12%) 低減したことを指摘。

加えて原子力発電、LNG 火力発電、水力発電などによる CO2 排出抑制効果の2000年度実績は約4.4億トンとの試算を示し、そのうち原子力の抑制量は約2.4億トンに達しており、これだけで99年度のわが国の CO2 排出量の約20%に相当する規模であることを明らかにして、「改めて地球環境面からも、原子力推進の必要性を感じた」と述べた。

さらに同会長は、電力として掲げた「2010年度における CO2 排出原単位を1990年度実績から20%程度低減するように努める」目標について、「達成は容易ではない」としながらも (1) 原子力立地を全力で進める (2) 原子力設備利用率や火力発電熱効率の向上 (3) 京都メカニズムの活用への積極的な取り組み ---- などを通じて、「何としてもこの目標を達成したい」と述べた。


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