[原子力産業新聞] 2001年9月20日 第2104号 <3面>

[ブラジル] アングラ3号機建設計画を再検討

資金調達がネックに

ブラジル国営の原子力発電会社であるエレクトロニュークリア社は先月末、国家エネルギー政策審議会 (CNPE) が早ければ9月中にもアングラ3号機 (130万9000kW、PWR) の建設計画を進めるべきかどうかについて判断を下す見込みであることを明らかにした。

この件について8月初旬の会合で審議していた CNPE は、同計画の詳細な分析に今しばらく時間が必要との見解に達しており、判断は9月か10月に開催予定の次回会合で下したいと述べたもの。同計画ではすでに7割の機器を輸入手配済みだと伝えられているが、フィージビリティ調査によると3号機の完成には追加で17億ドル (2125億円) が必要との結果が出たことから、今後の処遇について慎重な議論が進められているところだ。

ブラジルでは現在、20%の電力供給制限が強いられるなどエネルギー不足が続いているため、昨年7月に初臨界に達した同2号機 (130万9000kW、PWR) が試運転期間を通じて果たした多大な貢献は、3号機の建設計画に一層期待を抱かせる結果になっている。アングラ発電所は同国で唯一の原子力発電所であり、同サイトでは82年に送電網に接続された同1号機 (65万7000kW、PWR) も良好な稼働率で操業を続けている。


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