[原子力産業新聞] 2001年9月27日 第2105号 <3面>

[スペイン] ENDESA、発電資産を伊に売却

原子力は含めず

スペインの ENDESA から今年初頭に分離された第5位の電力グループである Viesgo 社がイタリアの ENEL 社に売却されることが13日付けで明らかになった。

Viesgo 社の売却は ENDESA が今年5月に公表した発電資産売却計画の一環。今回の取り引きで ENEL は18億7000万ユーロ (2057億円) を現金払いするほか、2億7700万 (約30億円) ユーロの債務も引き受けることになる。ただし、Viesgo 者が所有する原子力発電資産 − サンタマリア・デ・ガローナ発電所 (46万6000kW、BWR) の50%とトリリョ発電所 (106万6000kW、PWR) の1%については ENDESA の元に留め置かれるとしており、ENDESA は50%出資する Nuclenor 社を通じて両発電所の所有権を保持することになる。同社はこのほか、アスコ1号機 (102万8000kW、PWR) の全所有権、同2号機 (101万5000kW、PWR) の85%、ヴァンデロス2号機 (108万1000kW、PWR) の72%、アルマラズ発電所の2基 (各90万kW 級 PWR) については36.02%の所有権を握っている。

ENDESA では、「原子力資産を取り引き対象から外せば規制上の問題が絡まなくなるので取り引き手続きが迅速に進む」と説明。ENEL に売り渡される Viesgo 社の発電資産236万5000kW の内訳は72%がガスおよび石炭の化石燃料火力で、残りはすべて水力となっている。この取り引きにより、ENDESA の発電資産は原子力と従来型水力発電によるシェアが4ポイント増の39%になった。

今回の取り引きは今後、スペインと欧州連合の規制当局から承認を得る必要があるが、ENDESA は今後もスペイン国内の配電活動で42%、設備容量で44%の市場シェアを確保。リーダー的な立場を維持することになる。


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