[原子力産業新聞] 2001年10月4日 第2106号 <1面>

[日仏] もんじゅ共同研究で協力へ

日仏専門家が協議、燃料サイクルでも連携強化

文部科学省は2日、9月14日にパリで開かれた第5回の高速増殖炉に関する日仏専門家会合の結果を原子力委員会に報告した。

会合には日本側から、文部科学省、経済産業省資源エネルギー庁、核燃料サイクル開発機構、日本原子力研究所、日本原電などが参加。フランス側は原子力庁 (CEA) ほか経済・財務・産業省、研究省などが出席した。

同会合でのフランス側からの説明によると、現在停止中の高速増殖炉原型炉フェニックスは本来ならば今年運転再開予定だったが、蒸気発生器に亀裂が見つかったため修理を行うことから、2002年後半に再起動する予定。5、6年をかけてマイナーアクチニドの照射試験を行い、その後は2010年頃まで照射後試験を実施する計画であることが明らかにされた。

フランス側は発電に加えて水素の製造が将来的に重要との観点から、安全性と核変換に優れている高温熱利用に関心を示している。テストループを2007年頃に、また2012年頃に試験炉をカダラッシュ研究所に建設する考えだという。フランスは、高温ガス炉についての技術的知見が比較的少ないとされている。同国として高温ガス炉の研究開発を進めるにあたっては、多国間での研究協力の枠組みを利用することの利点を挙げていて、こうした意味からも国際的な共同開発イニシアティブである「第4世代国際フォーラム」への参加が同国にとり魅力となっているということが紹介された。

また、日仏両国の協力については、「もんじゅ」を用いた共同研究に関連し、試運転計画の共同策定や照射試験施設としての利用協力など今後の計画に関する日本側提案に対して、フランス側から専門家を派遣して協力したいとの考えが示されたほか、今後は高速炉と関連燃料サイクル技術を統合して研究を進めることが必要だとの認識に立ち、今後の両国政府の専門家会合では高速炉に加えて燃料サイクル分野も協力の対象とすることが合意されたこともあわせて報告された。


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