[原子力産業新聞] 2001年10月4日 第2106号 <2面>

[IPCC] 英国でIPCC総会開かれる

第18回「気候変動に関する政府間パネル (IPCC)」総会が、9月24日から9月29日まで英国・ロンドン市において開催された。

総会においては、IPCC 統合報告書の政策決定者向け要約 (Summary for Policymakers) の審議・採択及び統合報告書本体の受諾が行われた他、作業部会の構成、インベントリータスクフォースの位置づけ等、今後の IPCC の活動に関する様々な方針が決定された。

今後、来年2月から3月にかけてスイス・ジュネーブ市で開催予定の IPCC 第19回総会で、IPCC の新たなビューローが選出され、第4次評価報告書や各種特別報告書等の作成に向けての体制が構築されることとなる。総会には、総計約300人が出席。日本からは、近藤気象庁気象研究所気候研究部長、木村環境省地球環境局研究調査室長をはじめ、谷口 IPCC 副議長、平石インベントリータスクフォース共同議長などが出席した。

今回の総会で決まった特別報告書等の作成については、ひとつめが、土地利用、土地利用変化及び林業に関するグッドプラクティス・ガイダンスで、1996年に公表された、「IPCC 国別温室効果ガスインベントリーに関する改訂ガイドライン」の中の、「土地利用、土地利用変化及び林業」に関する部分を京都議定書に対応させるため、「土地利用、土地利用変化及び林業」に関する温室効果ガスの具体的な評価、計測、モニタリング、及び報告方法についてとりまとめるもの。同報告書は COP9 への提出が求められており、今後、執筆者が選定され、2003年11月の完成に向けて作業が進められる。ふたつめは気候変動と生物多様件に関する技術ペーパーで、これまでに観測された気候変化や将来予測される気候変化に対して生態系に現れる影響・緩和・適応オプションについての最新の知見をとりまとめる。執筆者は既に選定されており、来年4月の完成に向けて作業が進められる。

次回の IPCC 総会は、来年4月 (場所未定) に開催されることとなった。次回総会では、IPCC の新ビューローの選出が行われる予定。


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