[原子力産業新聞] 2001年10月11日 第2107号 <1面>

[経済産業省] 東電福島第二での炉心シュラウド亀裂で再発防止策は妥当と判断

経済産業省原子力安全・保安院は2日、東京電力の福島第二原子力発電所3号機 (BWR、110万kW) 炉心シュラウドの亀裂に係わるタイロッド工法による補修に関する東電からの報告書について、検討の結果、「妥当である」と判断した。

7月に発見された、福島第二原子力発電所3号機炉心シュラウド部亀裂について、東電は再発防止策として、タイロッド工法による補修を行うとする報告書を原子力安全・保安院に提出。同院では9月に、「タイロッドおよびその付属物等の構造健全性」「既存の施設・設備に与える影響」の2点について、東電に対して追加報告を求めていた。

これを受けた東電は、(1) タイロッドおよびその付属物の耐食性は十分であり、強度・耐震性に問題はない。さらに、これらから飛散物が生じる可能性はない (2) タイロッドおよびその付属物が、原子炉圧力容器・シュラウドサポート等の既存構造物の強度等を底下させることはなく、かつ原子炉一次系冷却材の流れに対する影響もない − などとする報告書を提出。原子力安全・保安院は検討の結果、追加報告の内容について「妥当なもの」と判断した。

なお今後は、タイロッド工法について、電気事業法に基づいた工事計画が、東電から申請されることとなり、同院では、技術審査に照らして審査を行うこととなる。


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