[原子力産業新聞] 2001年10月11日 第2107号 <3面>

[オランダ] 裁判所、ボルセラ原発訴訟で再度「早期閉鎖」を却下

オランダの EPZ 社が9月21日付けで伝えたところによると、同国の裁判所は同社が操業するボルセラ原子力発電所 (48万1000kW、PWR) の早期閉鎖を求めた政府の訴えを再び退けた。

同発電所の早期閉鎖について政府と EPZ 社が締結したとされる協定の存在が明確ではないとの判断が下されたもので、政府側は11月9日までに新たな証拠書類を提出するとしているが、反原子力政策を押し進めようとする政府の試みが拒絶されたのは昨年2月の裁定に続いて2度目のことになる。オランダ議会は94年12月、ボルセラ発電所を2003年に早期閉鎖することを僅差で決定し、98年には当時の経済省が同年12月末日を持って失効するよう運転認可を変更した。しかしその後、EPZ 社の従業員達が「運転認可の変更は原子力法に反している」と提訴。同国の高等行政裁判所は去年の2月24日、従業員らの申立てを認め、運転認可失効期日の変更を取り消すとの判断を下した。

政府・経済省はなおも、「EPZ 社は自発的に発電所の早期閉鎖に応じた」と主張し、閉鎖を強行する構えを見せていたが、EPZ 社側はこの見解を否定。政府は協定不履行で同社を訴えるに至っていた。今年6月の法廷審議で政府側は自らの甲立てを裏付ける証拠を提出できなかったが、今回の裁定を受けて今一度法廷闘争を試みるとしており、最終的な票決は来年にずれ込むと予想されている。

EPZ 社は、同発電所を少なくとも設計上の運転寿命である40年後の2013年まで操業したいとしており、それ以降も操業を継続する可能性については2010年時点で株主達と協議する考えであることを明らかにした。


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