[原子力産業新聞] 2001年10月18日 第2108号 <1面>

[政府] 電力市場など規制改革で政府要望

日米両国が経験交流を

政府は14日、米国の規制改革と競争政策に対する要望をとりまとめた。近く米国政府に伝える。

小泉総理とブッシュ大統領は、今年6月30日の日米首脳会談において、両国及び世界の持続可能な成長を促進するための「成長に関する日米経済パートナーシップ」の設立を発表し、その中で、「規制改革及び競争政策イニシアティブ」 (「改革イニシアティブ」) の立ち上げに合意した。

同イニシアティブを立ち上げるに際して米国政府に対し、要望書を提出するもので、日本国政府としては、同要望書を十分反映させる形で、米国政府の政策の改善や更なる規制改革及び競争政策の推進を求めていく方針。

そのなかで、電力およびガス分野について要望書は、「米国は、企業と消費者の利益となるよう積極的に改革に取り組んできた国の1つ」としながら、その進捗状況と結果は州毎に大きく異なっている」として両国の電力市場設計に対する理解が深まるよう経験交流すべきとの認識を示している。そのうえで、電力分野については、「連邦・州の規制の二重構造や州毎に異なる規制の改善」として州と連邦で実質的に二重になっている規制構造を改善し、事業者の円滑な事業展開にむけた環境整備を行うことを求めている。また各州ごとに大きく異なっている自由化の進展度合い、および今後のスケジュールについて、国全体としての自由化の範囲およびスケジュールの明示を求めている。また自由化による競争の進展に伴い「公営事業のあり方」に検証を加え、今後の方向性を明らかにすることを求めている。

カリフォルニア州における電力危機の要因のひとつとされる「卸市場での上限価格 (プライスキャップ) 」についても指摘。事業者が円滑に事業計画を立てられるよう、卸市場での上限価格を設定する際には、事業者の予測可能性に充分に配慮した方法を取るべきとしている。


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