[原子力産業新聞] 2001年11月1日 第2110号 <2面>

[原子力安全委員会] 耐震分科会、3つのWGを設置

PSA など検討課題を整理

原子力安全委員会の原子力安全基準専門部会に設けられた耐震指針検討分科会 (主査・青山博之東大名誉教授) は10月30日、第3回会合を開き、検討課題の整理を行うとともに基本ワーキンググループ、施設ワーキンググループ、地震・地震動ワーキンググループの3つのワーキンググループを設置した。

同分科会は、確率論的安全評価法 (PSA) の耐震指針への導入などの新たな知見の反映を検討して、関連指針をより適切なものとするため検討を行っているもので、これまでの検討で、「地震時安全確保」、「施設の健全性」、「地震・地震動」の3つのカテゴリーにわけて検討課題を整理した。

地震時安全確保のなかでは地震 PSA の検討や耐震重要度分類の基本的考え方などが検討課題にあがっている。

施設の健全性に関しては荷重 (地震力) の組み合わせの基本的要求事項のほか、第4紀層地盤立地の導入についても検討課題にあがっている。

地震・地震動に関しては、基準地震動の種類と用いられ方に関する検討や設計用地震の区分と想定すべき地震、地農発生の確率論的安全評価等について検討項目が含まれている。

こうした検討課題をカテゴリーに沿って整理するため設けられたのが今回のワーキンググループで、基本ワーキンググループは、耐震安全目標および確率論的安全評価 (地震 PSA) の導入等の検討に必要な各種の知見の整理を行う予定。

また施設ワーキンググループは荷重 (地震力) と耐力の評価法に関する最近の知見の反映、ならびに第4紀層地盤立地および免震・制振構造の導入等の検討に必要な各種の知見を整理することにしている。

地震・地震動ワーキンググループは、地震動評価法および設計用地震の想定に関する最近の知見の反映、ならびに地震発生・地展動の確率論的安全評価法の導入等の検討に必要な各種知見の整理を行っていく方針だ。


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