[原子力産業新聞] 2001年11月1日 第2110号 <3面>

[英BE社] 英国にCANDU炉で、AECLと協力活動

英国の原子力持ち株会社であるブリティッシュ・エナジー (BE) 社のR.ジェフリー会長は10月18日、カナダのエンパイヤ・クラブで講演し、英国で CANDU・NG 炉の申請が可能になるようカナダ原子力公社 (AECL) と協力して開発計画を進めていることを明らかにした。

BE 社はすでに9月に、英国政府に提出した意見書の中で「今後25年のうちに寿命を迎える既存原子炉10基は新たな原子炉で取り替える」よう提案するとともに、これらは具体的に AP1000 や CNADU・NG などの新型設計炉に成り得ると強調。これらは既存原子炉よりも安価かつ工期の短縮が可能との考えを提示していたが、開発作業や認可プログラムに5年はかかるとの認識から、「すぐにでも取りかかる必要がある」と訴えていた。

ジェフリー会長は演説の中で、「意見書にも大きく取り上げたように CANDU・NG は原子炉で取り替える際の有力なオプションであり、当社は CANDU 炉に転向することになった」と明言。英国内で認可申請できるよう、すでに AECL と協力活動していることを明らかにしたほか、「BE 社は今後も大西洋の両側で原子力産業の最先端の地位を確保する考えであり、スタッフの相互訪問はすでに、お互いの専門的知見の交換から得られる恩恵の大きさを実証しつつある」と語っている。

同会長はまた、ほんの2、3年前にはエネルギー源としての原子力は死んだとまで囁かれ、特に西欧では新規の原子炉建設など考えられない状況だったと指摘。しかし現在、ウォール・ストリート・ジャーナルで「原子力ルネッサンス」と形容されたような状況が稼働中の原子炉による既存の電力ミックスに当てはまるようになった。その安全性とともに各地で改善されつつある稼働実績は投資家達の意欲をそそり、もはや原子力への投資を躊躇する者は少なくなったとの考えを披露している。

同会長はさらに、「供給保障や多様化という観点から見てほかに選択肢はない」と断言。原子力こそ現在の、また将来の社会において重要な役割を果たす電源だとの認識を表明した。


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