[原子力産業新聞] 2001年11月1日 第2110号 <3面>

[ブルガリア] 英国原産コズロドイ原発視察で「早期閉鎖の理由ない」

英国原子力産業会議 (BNIF) は10月15日、ブルガリアのコズロドイ原子力発電所を視察した感想として、「原子炉の閉鎖に関する最終決定はこの国の規制当局の判断に委ねられているとはいえ、コズロドイ3、4号機を早期閉鎖しなければならないような技術的、あるいは経済的な理由は見受けられなかった」と発言した。

BNIF はブルガリア原産と共同で2日間に渡る国際セミナーをソフィアで開催していたもので、コズロドイ発電所の視察はその一環として実施されていた。初期の VVER で安全性に問題があるとされている3、4号機 (各44万kW) の閉鎖は欧州連合 (EU) にブルガリアが加盟するための交渉開始条件の1つとして EU 側から提示されており、両者は両炉の最終的な閉鎖日程を2002年末までに決定することで合意する一方、同国既存のエネルギー政策ではこれらの炉は2010年まで操業することが明記されている。同じく古い VVER である同1、2号機 (各44万kW) については、政府がすでに2003年までの閉鎖を約束している。

BNIF のJ.ハッドン団長はまず、「今回の視察は発電所の安全性を見るのが目的ではなく、英国原子力産業界が請け負った契約について進展状況を話し合い、支援を提供するためのもの」と明言。しかし、団員が受けた印象として、コズロドイ発電所では過去数年間に持ち上がった様々な問題に非常に旨く対処しており、安全性に関しても規制当局を満足させられるだけの解決策を発見済み。この意味で両者の関係は健全な緊張状態にあり、視察した限りでは規制当局が継続操業を許可できない理由は見当たらなかったと言明した。

同団長はまた、BNIF には EU の方針に背く意志がない点を強調した上で、「政治的な要求が1つでも存在する限り、技術的な面や経済性に関する議論が功を奏するとは思えない」と付け加えた。


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