[原子力産業新聞] 2001年11月1日 第2110号 <3面>

[フランス] 原子力庁長官、原子力の将来楽観視

仏原子力庁長官が来日

フランス原子力庁 (CEA) のP.コロンバニ長官は10月29日、都内で開催された記者会見の場で、世界的にエネルギー需要の伸びが見込まれる中で、化石燃料が政情不安定な地域に偏在していることなどを考えると、地球温暖化の軽減にも貢献する原子力発電の将来を楽観視していると語った。

また、米国での同時多発テロ事件を受けて、各地の原子力発電所で警備が強化される中、フランスでは空軍が警備にあたっていると説明。これからは「見えない相手」に対する新たな対応策が必要との考えを示した。同長官はこうした一環として、次世代炉の1つの設計として、例えば埋設炉のような炉型を提案する意見も仏国内で出ていることを紹介した。

同長官は、日本原子力産業会議が主催する日仏専門家会合 (N-20) への出席のため来日。滞在期間中には、関係者との懇談や関係施設の視察も行う予定だ。同長官はフランス原子力産業再編に伴い今年9月に発足した AREVA 社の監査役会の会長を兼任しており、この機会に新会社について日本の関係者に積極的に紹介していく意向。同社はフランス核燃料公社 (COGEMA)、フラマトム ANP 社、フラマトム・コネクターズ・インターナショナル (FCI) 社など関係企業をグループ化し、その頂点に立つ持ち株会社で、監査役の下に位置する業務執行委員会会長には、COGEMA のローヴェルジョン会長兼最高経営責任者 (CEO) が就いている。主な株主は CEA (約80%)、政府 (約7%)、仏電力公社 (EDF) (約3%) など。

なお、同社の監査役には、日本から東京電力相談役の平岩外四氏がメンバーに加わっている。


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