[原子力産業新聞] 2001年11月8日 第2111号 <3面>

[米・NRC] テロ予告は悪戯と断定

TMI原発で調査

米国原子力規制委員会 (NRC) は10月18日、ペンシルベニア州のスリーマイルアイランド原子力発電所で前日の夜にテロの脅迫があったとされる問題を情報当局が調査した結果、根拠なしと判断されたことを明らかにした。

当初、NRC ではこの問題を深刻に受け止め、同発電所の所有者、州や連邦政府の当局には厳戒体制を取らせていた。同発電所は現在、通常の稼働体制に戻ったが、NRC は国内すべての原子力発電所と原子力関連施設に対し、継続して厳重な監視警戒体制を取るよう通達している。

9月11日の同時多発テロ事件の発生以来、原子力発電所に対するテロ攻撃の不安が高まっており、NRC はR.メザーブ委員長の指示により保障措置および防護警備プログラムの根本的な見直し作業を実施中だ。9月26日には原子力発電所ならびに NRC の規制を受けている施設が立地する全米40州の知事に書簡を送付し、州政府の保安チームが必要となる事態に備えて原子力発電所と州当局の間で連携体制の構築が賢明と助言。その結果、NRC と州政府、NRC の規制を受けている施設とを繋ぐ連絡網が設置されたとしている。

NRC は現在も連邦調査局 (FBI) その他の調査機関、警察、軍、州当局と緊密な連携体制を取っており、今回の脅迫情報のさらなる分析評価を進めるとともに、現在の状況と計画について議論していきたいとしている。

テロリスト達の有用な情報源となることを警戒して一週間ほど閉鎖していたインターネット上の NRC のホームページも、掲載情報を制限して再開している。


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