[原子力産業新聞] 2001年11月15日 第2112号 <3面>

[加・CNSC] ピッカリングAの運転再開を認可

性能改善など条件付き

カナダ原子力安全委員会 (CNSC) は6日、条件付きでオンタリオ・パワー・ジェネレーション (OPG) 社のピッカリングA原子力発電所 (各54万2000kW、CANDU炉4基) の運転再開を許可した。

この認可の有効期限は2003年6月末で、運転の再開は特定の機器で性能改善および改造を完了した後、許されることになる。さらに OPG は、各原子炉の再起動や出力上昇に際して CNSC の承認を得る必要があるほか起動前はもちろん、運転再開に向けた原子炉の準備状態についても半年毎に CNSC への報告を義務づけられる見込みだ。

今年の6月と8月、および10月に開催された同発電所の運転再開に関する公聴会では、CNSC は OPG 職員や CNSC スタッフのほか一般参加者も含め、さまざまな層から同発電所の状況に関する見解を聴取。それらを斟酌した上で、「OPG にはピッカリング発電所を操業する資格があり、再起動の条件が満たされれば、カナダが国際社会における義務を果たすための方法や国家保障の維持、環境や一般大衆の健康と安全を守るための適切な措置が得られることになる」との結論を表明した。

OPG 社の前身であるオンタリオ・ハイドロ社はピッカリングAのほか、ピッカリングB、ブルースA、B、ダーリントンの発電所サイトで合計19基の CANDU 炉を操業していたが、97年の原子力発電所改修計画によリブルースAの3基およびピッカリングAの4基が運転休止の措置を受けた。しかし、今年になって英国のブリティッシュ・エナジー社がブルースBの4基とブルースAの2基をリース運転することで OPG 社と契約しており、これらが復帰すればカナダの稼働中原子炉の数は他の2社が操業する2基と合わせて20基に回復することになる。


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