[原子力産業新聞] 2001年11月22日 第2113号 <3面>

[米国] エクセロン社、PBMRの建設は有望

実行可能性調査で手応え

米国のエクセロン社は6日、ペブル・ベッド型モジュール式高温ガス炉 (PBMR) の実証炉建設に関する実行可能性調査で、「プロジェクトの継続は有望」との結果が出たことを明らかにした。

同社は英国原子燃料会社 (BNFL) とともに南アフリカ共和国の電力公社 (ESKOM) および同国の産業開発公庫 (IDC) を中心とする PBMR 開発のための国際企業連合に参加。PBMR 実証炉を南アに建設するかどうかの判断はいくつかの問題のため1年ほど決定が遅れる見通しだが、フィージビリティ調査の結果から参加4企業すべてが「十分な進展があった」との感触を得ており、エクセロン社としても米国で来年中に PBMR の早期立地申請、2005年に着工、という当初スケジュールの実現に希望をつないでいる。米国での認可取得の可能性について、エクセロン社は現在、米国原子力規制委員会 (NRC) と協議しているところだが、来年の第4・四半期になるまでは明確な結論はでないとの見方が有力だとしている。

エクセロン社で同プロジェクトを担当するW.スプロート副社長が今年始めに米国議会下院のエネルギー・商務委員会で述べたところによると、同社は南アで PBMR の詳細設計が終了した後、2003年を目処に PBMR の建設・操業に関する一括認可を申請する計画で、フィージビリティ調査の結果を同社自身が良好と判断した場合、南アで実証炉が建設されるのを待たずに米国で複数の PBMR 建設するための認可手続きを開始するという。

一方同氏は、PBMR の建設実現には複雑な技術的課題のほか、解決にはさらに困難を要すると思われる法的な問題点が存在する点にも言及。その上、時代遅れで不適切な既存の規制を小型のモジュール式原子炉に適用すると財政負担がかさみ、経済性が損なわれるという不都合な点を警告しており、エクセロン社としてはガス炉の規制に適した技術的な認可の枠組みが策定されるよう NRC スタッフと連携していく必要があるとの認識を示している。

スプロート副社長はさらに、同企業連合が PBMR を商業べースに乗せるために6億ドル以上を投入する計画であり、これと並行してエクセロン社も最初の PBMR の認可と建設に向けて実質的な投資を行っていると言明。ただし、現段階で NRC や国立研究所にない専門技術に対しては政府の適切な支援を期待していることも付け加えた。


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