[原子力産業新聞] 2001年11月22日 第2113号 <3面>

[欧州] EBRD、K2/R4への融資勧告

「条件は満たされた」

欧州復興開発銀行 (EBRD) のJ.ルミエール総裁は7日、ウクライナの K2/R4計画への融資条件が満たされたとして2億1500万ドル (264億円) を融資するよう同行の理事会に勧告した。

建設途中のフメルニツキ2号機およびロブノ4号機を完成させる計画では合計で14億8000万ドル (1810億円) が必要と見積もられているが、EBRD は次の4点を満たすことが融資の条件だとしていた。すなわち、(1) チェルノブイリ原子力発電所の永久閉鎖 (2) ウクライナの原子力施設で西側諸国並みの安全基準が満たされるよう同国の規制当局が独立の立場と必要な資源を得ること (3) 国際通貨基金 (IMF) のウクライナヘの拡大資金供与制度 (EFF) 再開 (4) その他の融資機関による同計画への資金提供。

(1) については昨年12月15日に最後まで稼働していた3号機が閉鎖したことにより、すでに実現。 (2) についてもルミエール総裁は、原子力規制当局の独立性と財源・人材の強化で正しい方向に進んでいることが確認されたほか、今年8月に IMF が EFF を再開したと報告。EBRD 以外の財政援助としては欧州原子力共同体 (ユーラトム) から5億8500万ドル (717億円) 融資することでECが承認済みであるほか、複数の輸出信用機関やロシア政府、ウクライナ原子力発電公社、およびウクライナ政府からの融資が公約されたとしている。

これらの条件を付した理由として EBRD では、K2/R4 だけでなく、同国で稼働する13基の原子炉すべてで安全性が改善され、送電会社の民営化や電力料金の引き上げおよび徴収率の向上を含め同国電力部門全体の改革を促すためだと指摘した。

同総裁の勧告を受けて、EBRD は来月の理事会で貸付を承認する協定に署名するかどうかを決定する。


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