[原子力産業新聞] 2002年1月7日 第2118号 <1面>

[原産会議] 西澤原産会長、栗田知事と会談

年次大会の成功期す

日本原子力産業会議の西澤潤一会長は12月2日、東京都内のホテルで栗田幸雄福井県知事と会談した。

栗田知事はこの中で、原子力を進めるにあたっては安全確認が何より大事だとした上で、原子力を取り巻く状況について、プルサーマル計画実施が遅れている点を残念だとするとともに、米国での同時テロ事件を受けて原子力施設のテロ対策等警備強化が課題となることを指摘した。知事はさらに、日本原電・敦賀3、4号機の増設計画をめぐり「1月にも方向性が出される」とし、こうした状況で2003年4月に福井県で第36回原産年次大会が開催されることに言及、「年次大会を大きなイベント」と位置づけたことに対して、西澤原産会長は「福井大会は、地元の方々への理解を深める点でも意義がある。ぜひ成功させたい」との考えを伝えた。

15基の原子力発電所が立地する福井県・嶺南地区にとっては、03年は画期的な年になる。春に近畿自動車道敦賀線の舞鶴東・小浜西間の共用開始やJR小浜線の電化などが予定されていて、秋までの期間、様々な催しが計画されている。福井県としては、こうした記念行事の一環として、原産年次大会を誘致したいとの意向を示していた。

このほか、粟田知事と西澤会長は大学から原子力学科という名称が消えつつある状況についても意見交換。地方大学も再編など厳しい局面を迎えている点を踏まえ、知事は、原子力について国や地方、大学がどうとらえていくべきか提案するなど、前向きに取り組みたいとの考えを示した。


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