[原子力産業新聞] 2002年1月7日 第2118号 <2面>

[原子力安全・保安院] 浜岡1号機の漏えいで監視強化の対策を指示

原子力安全・保安院は12月25日、中部電力から同社浜岡原子力発電所1号機 (BWR、出力54万kW) の制御棒駆動機構ハウジング部からの漏えいに関する調査の中間報告を受けた。報告を検討した結果として、同26日、原子力安全・保安院は、炉容器下部からの炉水漏えい監視の強化が必要と判断。BWR 保有の各電力会社に炉容器下部からの漏えいか否かを特定するための評価方法を検討し、同院に対策を報告するよう指示を行った。

中部電力からの報告では、漏えい部位の水中カメラによる目視観察や超音波探傷試験等を実施した結果、き裂は溶接金属部分に認められ、裏面に貫通していることがわかった。き裂の外観的な特徴から応力腐食割れの可能性が考えられるものの、原因の特定のため、そのき裂部分からサンプルを切り出して、金属調査などによりさらに原因調査を進めるとともに、モックアップ試験や応力解析等を進め、徹底した原因究明を行うこととした。

また原因究明の一環として、他のCRDハウジング部 (全88体) の目視点検を実施する。

また中部電力は、漏えいが始まった時期について、調査の結果から、あきらかに昨年7月上旬ごろから発生していたものと判断。またその原因はまだ定かでないとしながらも、原子炉水の漏えいではないとの判断を下している。今後漏えいの監視を強化し、通常とは違うデータがみられた場合の措置を明確化する等の改善を行う考えだ。


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