[原子力産業新聞] 2002年1月7日 第2118号 <3面>

[米国] 全米知事協会、テロ攻撃からの防護に6000万ドル

全米知事協会 (NGA) は12月5日、テロ攻撃から原子力発電所を防護するために各州レベルで初年度に5800万ドル (7億2600万円) が必要との調査結果を発表した。

この調査は昨年9月11日にニューヨークとワシントンDCで発生した同時多発テロ事件を受けて実施されたもので、全米の人口の25%にあたる17州・1準州から回答が寄せられたとしている。その結果 NGA は、生物兵器による攻撃や緊急時の連絡体制整備に30億ドル (3760億円) が必要だと試算したほか、ガスや石油のパイプライン、原子力も含めた発電所、水供給および処理施設、国の送電グリッド、大規模な港湾および空港施設、内陸部の主要な水路、重要な架橋やトンネルなど市民や重要なインフラ設備を守るにはさらに10億ドル、合計すると初年度だけで40億ドル (5000億円) 必要との試算結果を提示。このうち30億ドル分については連邦政府の補助を受けられるよう議会に要請している。

同協会のP.パットン副会長は、「どこの州政府も予算不足に喘いでいるにも拘わらず、昨年のテロ事件では様々な連邦機関からの支援要請に応じて決して安くはないサービスを提供した」と強調。各州が幅広い警備責任を果していく上で十分な柔軟性のある基金が必要だと訴えた。


Copyright (C) 2002 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.