[原子力産業新聞] 2002年1月10日 第2119号 <3面>

[英国] BNFL、MOX製造開始に秒読み

SMPにプル搬入

英原子燃料会社 (BNFL) は12月20日、セラフィールド MOX 燃料製造施設 (SMP) でプルトニウムを使った最終機器試験の第1段階を開始したと発表した。

SMP にプルトニウムを含んだ燃料が搬入されたのは同日早朝のことで、BNFL はその前日、英国政府の保健安全管理局 (HSE) から同試験に必要な認可を取得したばかり。HSE の認可は原子力検査局 (NII) による SMP の最終検査が無事完了したことを意味している。

プルを使った機器の最終試験は MOX 燃料の製造を実際に開始するための準備段階となる最も重要なステップで、BNFL としては SMP の本格操業実現に向けて、少しずつ慎重に作業を進めていくと言明した。同日に発表された声明でもJ.アレン担当部長が、「辛抱強く待っていてくれた顧客には本当に感謝している。今後はなるべく早く MOX 燃料の製造作業を開始できるようにし、彼らに最初の燃料を配送したい」との抱負を表明。4年間にわたった一連の住民公聴会、昨年10月に英国政府が本格操業認可を発給した後も今回の作業を開始するまでに10週間を要したことを振り返った。

BNFL の MOX 実証施設 (MDF) で成形加工された日本の高浜原子力発電所用燃料で品質管理データの改ざんが発覚して以降、英国政府は SMP の経済性について ADL 社など複数の独立の調査機関に調査を依頼。この問題も含めて BNFL では、本格操業認可の保留を求めたアイルランド政府と環境団体による訴訟問題もクリアされたと明言している。


Copyright (C) 2002 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.