[原子力産業新聞] 2002年1月10日 第2119号 <3面>

[欧州] フラマトムANP、スイス原発のI&C改修を完了

フラマトムANP社は12月11日、スイスのベツナウ原子力発電所 (各38万kW、PWR 2基) で安全計装制御 (I&C) 装置の改修作業を完了したと発表した。

ウエスチングハウス社製 PWR で防護システム全体の性能改善工事を請け負ったのは同社としては初めての試みだったとしながらも、フラマトム社は同発電所を運転する NOK 社と98年に締結した契約どおり、2000年〜2001年に燃料交換のための停止期間を利用してベツナウ1、2号機に最先端技術を駆使したテレパームXSデジタル安全計装制御装置の設置を終えた。

フラマトムANP社によれば、この計装制御装置によって同発電所ではシステムの保守やスペア部品の活用が容易になったほか機器の検査もし易くなり、今後20年から30年にわたって、信頼性の高い安全運転が可能になった。同社はまた、並行して故障診断プログラムを改善したほか重複する部品の取り外しを徹底。発電所の合理的な運転が可能になるようループの管理機能を向上させたとしている。新システムの導入により運転員が戸惑うような大幅な手順の変更はなく、自己診断機能が原子炉の運転中に周期的に自動で働くことになっている。

フラマトムANP社は過去10年の間に世界で12件の大規模なI&C改修作業を受注。テレパームXSはスイスのほか、ドイツ、スウェーデン、米国などで設置が許可されており、すでに世界の原子炉23基で受注済み、もしくは設置済みだと強調している。


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