[原子力産業新聞] 2002年1月17日 第2120号 <2面>

[原子力委員会] 革新炉検討会が審議開始

技術動向つかみ有望概念提示へ

原子力委員会は10日、研究開発専門部会に設けた革新炉検討会 (座長・岡芳明東大教授) の初会合を開き、国内の革新的原子力技術開発状況の把握と研究開発の位置付け、あり方の検討に着手した。国内外で進展している革新炉に関する技術動向を把握したうえで、有望な革新原子力システムの概念を提示、また効果的な研究開発推進体制を提言することにしており、種々の革新炉についての検討をとりまとめた "コンセプトブック" を今年6月を目処にとりまとめる方針だ。

また、第4世代原子炉技術の開発が国際協力プロジェクトで進められており、国内では高速増殖炉開発がオールジャパン方式で進んでいることから、こうした状況についてのフォローアップも行うことにしている。

革新的な原子力技術の研究開発については、文部科学省が次年度予算のなかで産学官の連携による公募型研究制度を創設するなどして、研究開発を促進する方針。経済産業省でも2000年度から革新的実用原子力技術開発制度を設けるなどして、一段と取り組みを強化する考えだ。欧米各国や日本が参加している第4世代炉技術開発に関する国際的なプロジェクトも本格化しており、内外で革新的原子力技術の開発が加速する環境が整いつつある。

初会合では、冒頭に研究開発専門部会の部会長をつとめる竹内哲夫原子力委員があいさつし、革新的な原子力技術開発への展望を述べ、各委員の活発な議論への期待を示した。その後、国の関連研究の推進策のほか、研究機関やメーカーなどから革新的な原子炉技術開発研究の取り組み状況を聞いた。各委員からは、社会からの受容性や市場ニーズに即した概念の抽出が必要などの意見が出された。


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