[原子力産業新聞] 2002年1月17日 第2120号 <4面>

[島津製作所] Cアーム型保持装置を発売

MH-300

島津製作所はこのほど、心臓・頭部・腹部・四肢の血管撮影用X線透視撮影装置で、被検者を動かさずに全身を撮影できる床置式Cアーム型保持装置「MH-300」を発売した。

この装置はCアームの基台部を独自の三軸構造にすることで、従来の床置式では不可能だったCアームの縦方向・横方向への平行移動を実現。これにより、術中に被検者を動かすことなく頭部から足先まで全身の検査を行うことが可能で、被検者の肉体的負担を大幅に軽減した。また、Cアームの回転速度は最大で世界最速の毎秒25度、頭部血管撮影時においても最大で60度と短時間ですみ、造影剤の注入量を低減できる。さらに、動かした量に応じてCアームの回転速度を自在に変更できるCアームコントローラの採用や、Cアームの位置決めをあらかじめ最大72種類まで登録できる「ダイレクトメモリー」を標準装備、操作性の向上を実現した。価格は3750万円。初年度は国内で35台の販売を見込んでいる。

血管撮影用X線透視撮影装置は、造影剤を投与した血管をX線で透視・撮影し、血管異常 (血管の狭窄や動脈瘤、細胞ガンなど) の発見と、その治療支援を行う IVR (X線透視撮影による検査を血管内治療にまで応用した術式) 装置。主として放射線科・循環器内科・脳神経外科などに設置され、IVR による治療も日常的な術式として定着している。また近年では、IVR 術式の増加にともなって、安全性、操作性、最新アプリケーションヘの対応など、装置への要求も一段と高度になっている。


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