[原子力産業新聞] 2002年1月17日 第2120号 <4面>

[京大原子炉実験所] 今月30、31日に学術講演会を開催

京都大学原子炉実験所では熊取キャンパスにおいて1月30日、31日の2日間にわたり、学術講演会を開催する。これは全国共同利用研究所である原子炉実験所で所内外の研究者により、その年に行われた研究成果を一般に公開して発表するもので、今年は36回目に当たる。毎年の研究成果が口頭及びポスターで発表されるほか、今年3月に停年退官予定の4人の教授、助教授の記念講演も行われる。

30日に行われる今年の成果発表の中では、 (1) 放射線に被曝して損傷した細胞が回復する現象であるエルカインド効果を説明できる基礎となる実験結果 (内海博司教授) (2) メスバウワー分光測定を利用して金の微粒子の触媒効果の原因を調べた実験結果 (小林康浩助手) (3) 原子炉の使用済み燃料に残る長寿命放射性アクチニド元素などの処分を目的としたこれら元素の溶液の化学特性の実験結果 (藤井俊行助手) −などが注目される。

また、31日に行われる退官教官の講演では、エネルギー政策に関する国の審議会の委員としても活躍してきた神田啓治教授によるエネルギー安全保障から見た原子力についての講演のほか、長年熊取にある研究用原子炉の安全管理に携わりながら原子炉等による研究を自らも行ってきた藤田薫顕教授の講演などが予定されている。


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