[原子力産業新聞] 2002年1月24日 第2121号 <1面>

[ITER計画] 共同実施協定骨子、建設サイトなど集中討議

米国、復帰に前向きの姿勢

国際熱核融合実験炉 (ITER) 計画の第2回公式政府間協議が22日、23日の両日、東京国際交流館で開催された。計画に参加する日本、欧州連合 (EU) 、ロシア、カナダの4極から代表者が集まり計画実施協定の骨子や機器調達配分の考え方などをめぐり協議するとともに、炉建設サイト誘致の現状報告のほか米国の計画再参加の見通しについて情報交換を行った。

政府間協議では、昨年11月にカナダのトロントで初めて開かれた会合に続いて、 (1) プロジェクト共同実施のための協定骨子 (2) 費用分担や調達配分の考え方 (3) サイト共同調査の実施方法 −に対する検討が引き続き行われた。

ITER 共同実施協定の中には、ITER の建設の進め方やその後の運転・研究段階、さらに廃止措置段階に関わる具体的な取り決めが盛り込まれる。協議を通じて今年末までに協定の最終来をまとめ、03年には各国が批准手続きを行う予定だ。

このほか、サイト選定の手順や、建設に必要な機器をどの国が調達するかの枠組み、工学設計活動後の計画実施段階への移行 −に対する基本的考え方も議論が交わされた。ITER の建設にあたっては、各国が機器の現物を調達する方式が採られることから、協議の中でそれぞれ各極が機器調達可能な分野を確認しあった。

今回の協議では、1998年に一旦離脱した米国の計画復帰に向けた動きについても参加者間で最新の情報交換が行われた。今月上旬には、尾身幸次科学技術政策担当大臣も米国のマーバーガー科学技術担当大統領補佐官との協議の中で、「再参加は米国にとって大きな意義がある。前向きに検討し早急に結論を出したい」との米国側の考えを引き出している。協議参加者の間でも「遠くない将来、米国側の再参加がありうる」といった共通認識が得られたと関係者は語っている。

米国の ITER 計画への復帰が実現し、コスト分担に加わることになった場合には、財政的に他の参加極に与える影響は大きい。とはいえ、現在の4極としての姿勢は米国の出方を待ってから今後の協議を進めるというものではないようだ。

建設サイト誘致をめぐる状況では、カナダでクラリントンを正式サイトとするための許認可手続きとして、同国の原子力安全委員会が3月に公式に ITER の評価を行うことになった。EU は、最も早ければ3月に予定される研究担当相理事会で、有力なフランスのカダラッシュに正式に建設誘致の意思表明をする可能性がある。我が国では国内誘致に最終的な答えが出ていないが、非公式ながら、今回の政府間協議開催にあわせて、誘致を希望する六ヶ所村と那珂町がそれぞれの候補地の模様をピーアールした。


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