[原子力産業新聞] 2002年1月24日 第2121号 <2面>

[原子力委員会] 核融合専門部会が初会合

炉工学やプラズマ、総合的に調査・検討

原子力委員会・核融合専門部会 (部会長・遠藤哲也原子力委員長代理) の第1回会合が18日に開催され、国際熱核融合実験炉 (ITER) 計画についての現状説明と意見交換が図られた。

藤家洋一原子力委員長は開会挨拶の中で、「核融合のような巨大技術は、しっかりした基礎と基盤技術に加えて全体を構築するシステム統合技術がバランスよく遂行されて初めて順調に発展する」としたうえで、国際的にシステムの統合技術開発をめざす ITER 計画が具体化する中で、専門部会において我が国の均衡の取れた核融合開発の発展に向けた実りある議論が行われることに期待感を表した。

続いて、内閣府と文部科学省から、原子力委員会や総合科学技術会議における我が国の ITER 建設誘致に関する現状が紹介された。

これらを踏まえて委員の間で議論が交わされ、「昨年は、ITER が我が国に建設されると他の核融合研究に影響があるのではないかとの "ネガティブ思考" の議論が多かったが、今年は ITER 計画加速のために "ポジティブ" な方向への議論を期待したい」、「ITER は日本の科学者が国際プロジェクトとの中でリーダーシップを打ち出せる絶好の機会になる」などとする意見が述べられたほか、「核融合プロジェクトのリスク管理という観点では、異なる原理のものを並行して進め、ITER の原理以外の核融合技術開発をオプションとしておくことも重要だ」などといった意見も聞かれた。

同専門部会では今後、炉心プラズマや炉工学技術や核融合炉システム技術、安全性研究、国際協力など、核融合開発に関する総合的な調査・検討を行うことにしている。


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