[原子力産業新聞] 2002年1月31日 第2122号 <3面>

[ドイツ] 脱原子力政策の撤回を約束

ドイツ・バイエルン州のE.シュトイバー首相は17日、今年9月に行われる全国選挙で同氏が勝利した場合、G.シュレーダー現政権の脱原子力政策を撤回する考えであることを明らかにした。

原子力擁護派として知られるシュトイバー氏は保守系野党であるキリスト教民主同盟(CDU/CSU)のリーダーで、今年に入ってからは選挙戦におけるシュレーダー首相の対立候補看に指名されている。CSUの広報担当官によると、CDU/CSUは現在、対抗勢力側によるエネルギー政策の策定最終段階を迎えており、社会民主党と緑の党による連立政権が電力会社と結んだ原子力発電所の運転寿命を制限する協定の撤回を目指しているという。

原子力業界のオブザーバー達も原子力利用問題は今年の選挙運動の焦点の1つになると予想。W.ミュラー経済相が昨年11月に公表した政府のエネルギー政策報告書の中で、「温室効果ガスの排出削減で過度の目標を設定することは脱原子力政策と両立せず、国のエネルギー供給保障を危うくする可能性がある」と警告していた点に言及した。


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