[原子力産業新聞] 2002年2月7日 第2123号 <1面>

[原子力安全委員会] 大阪で地方委員会開く

第5回地方原子力安全委員会が2日午後、大阪市の大阪科学技術センターで開催された。「地震対策」「プルサーマル」および「浜岡発電所事故」をテーマに取り上げ、説明ならびに質疑、意見交換を行った。会場には約290人がつめかけた。

会では松浦委員長の開会挨拶の後、飛岡委員が原子力発電所の地震対策を説明した。同委員は、発電所立地時には敷地内の断層や近隣で起きた過去の地震、地盤を調べたうえで、起こりうる最大の地震を想定するといった考えに基づいている点や、建物や機器・配管類ごとに耐震重要度を分類し、それに応じた耐震設計を採用している点などを説明した。そのうえで、現在の耐震指針類は策定後すでに20年が経っているため、新たな知見や経験の蓄積を踏まえて見直しのための検討に着手していることを紹介した。

続いて鈴木委員はプルサーマルの安全性などを説明し、プルサーマルの中性子サイクルヘの影柵については、(1)中性子を吸収しやすくなること(2)共鳴吸収が大きくなる(3)遅発中性子の割合が減ること−の3つがあるとしながらも、こうした点は、運転制限値の変更や反応度投入事象の解析・評価、プルトニウムの濃度分布調整などで対応が可能であることを述べた。

浜岡1号機での事故については須田委員が、当該機器や事故原因の調査状況、推定される原因や事業者の対策−などを包括的に述べるとともに、安全委員会の対応と今後の見通しなどを説明した。

委員らからの説明を受けて行われた会場参加者との質疑応答では、地震に対する浜岡発電所の安全裕度の考え方や我が国がプルサーマルを実施することの根拠に関する質問のほか、浜岡1号機配管破断に関して水素燃焼の予防や対策に関する質問や意見が出された。


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