[原子力産業新聞] 2002年2月7日 第2123号 <2面>

[三菱重工業] 仏での事業強化へ

三菱重工業は1月30日、フランスのCOMEX・NUCLEATRE社(略称COMEX社、本社=マルセイユ)とフランスでの原子力発電アフターサービス市場活動において、提携することに合意したと発表した。両社は今後、マルセイユに共同技術チームを設置し、今回の提携を円滑に推進していく。

三菱重工はヨーロッパでは、ベルギー向けに取替用蒸気発生器、スウェーデン向けに取替原子炉容器上蓋をそれぞれ納入、またスペイン向けには取替用タービンロータを供給する等のビジネスをこれまでも展開してきている。今回の提携を機に、今後フランスでの営業活動を一段と強化していく考え。既に、フランス電力公社(EDF)に対して、1月22日、23日に共同技術プレゼンテーションを開催、営業活動も開始した。

フランスには現在、56基の加圧水型原子炉(PWR)があり、今後プラントのアフターサービスにおいても大きな需要が期待されている。三菱重工はこれまでに蓄積したPWRの経験と技術力を生かし、COMEX社とともに既設プラントの継続的な運転とメンテナンス事業の展開を図っていきたいとしている。

COMEX社は、フランス・マルセイユに本社を置く、原子力施設への専門的なアフターサービスとメンテナンスを提供する企業で、従業員300人、技術要員200人を数え、フランスの半分以上の発電設備に関わっている。設立は1990年。2001年の売上は2,500万ユーロ(約29億5,000万円)。COMEX社は今回の提携に基づき、三菱重工の奪門技術と経験をテコに営業力を強化していくことになる


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