[原子力産業新聞] 2002年2月7日 第2123号 <3面>

[オーストリア] 国民はチェコのテメリン原発に反対

オーストリア内務省は1月22日、国民投票の結果、同国民の約6分の1が「チェコでテメリン原子力発電所が閉鎖されない限りオーストリア政府はチェコのEU加盟を拒否すべきだ」との見解であることが判明したと発表した。

この投票は1月15日から22日にかけて、オーストリア連立政権で主導的な立場にある自由党(FPO)が提出した「テメリン発電所に反対する請願」について見解を問う形で実施された。その結果、有効投票数580万票のうち91万5,220票(有権者の15.5%)がこの請願への賛成票だったというもの。この国民投票自体に法的な拘束力はないが、同国で過去に行われた国民投票の中で第3位の高得票数だったことから議会も審議議題として取り上げざるを得ないと予想されている。

FPOの議員団長であるP.ペステンターラー氏は、「欧州議会に対して欧州原子力段階的廃止会議を招集するようオーストリアが働きかけてもよい」と語った。一方、同国の産業界が支援する「欧州の声」運動は、チェコのEU加盟を阻止する動き、あるいは試みはテメリン発電所の安全基準や情報を要求する機会を失わせるだけだと脅告している。


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